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お金の管理はじめかた

お金の管理が苦手なのではなく、見えていないだけかもしれません

「お金の管理が苦手」「金銭管理ができない」と検索したことがある方に向けて書いています。

この記事で伝えたいのは、管理が苦手だと感じる状態と、判断に必要な数字を持っていない状態を分けて考えられる、ということです。見えていない数字を、能力だけで補うことはできません。

「苦手」だと感じるのは、だいたいこういう場面です

苦手意識が出てくるのは、たいてい抽象的な反省の場面ではありません。もっと具体的な、特定の瞬間です。

  • 給料日前に残高を見て、指が止まる。 数字は分かっているのに、あと何日この額で持たせるのかが分からない。
  • 引き落とし日のたびに、足りるかどうか少し不安になる。 結果として足りていても、その不安は毎月やってきます。
  • 何を買っても、うっすら罪悪感がある。 3,000円の買い物が高いのか安いのか、判断する基準を持っていないからです。
  • 貯金しようとしても、何かの支払いで消える。 今月は残せそうだと思った月に限って、年払いの更新や車検が来る。

このどれかに心当たりがあるなら、それはお金に無頓着な人の困り方ではありません。むしろ、気にしているからこそ起きている困り方です。

共通しているのは「使っていい額を、自分が知らない」ことです

上の4つは、別々の悩みに見えて、真ん中は同じだと思っています。使っていい額を、自分が知らない。 それだけです。

知らないまま買い物をすると、一回一回の判断が賭けになります。飲み会に行っていいのか、この靴を買っていいのか。分からないまま決めるので、当たる月もあれば外れる月もある。外れた月に「自分は管理ができない」と思い、当たった月は運がよかっただけなので自信にはならない。この繰り返しです。

賭けを続けていれば、そのうち外れる月が来ます。でもそれは、意志が弱いからではありません。判断に必要な数字を持たないまま判断しているからです。意志ではなく、情報の問題として扱えます。

なぜ「使っていい額」が分からないのか

では、なぜその数字が手元にないのか。理由は3つあると思っています。どれも、本人の努力とは関係のないところにあります。

1. カードは、使った日と引かれる日がずれています。 3月に使った分が4月に引かれるのか5月に引かれるのかは、カードの締め日次第です。締め日の翌日に使った分は、2ヶ月近く先に飛びます。買った記憶が薄れたころに、口座から出ていきます。

2. 毎月出ていく額が、あちこちに分散しています。 家賃、通信費、保険、サブスク、分割払いの残り、奨学金。ひとつずつは把握していても、その合計を出したことがある人は意外と少ないはずです。契約した時期も場所もバラバラなので、誰も足し算していないのです。

3. 口座に見えている残高は、これから出ていく分を引く前の数字です。 給料日の翌日に18万円あっても、そのうち15万円は行き先が決まっています。それでもアプリには18万円と表示されます。この数字を見ながら「今月は余裕がある」と感じてしまうのは、当然のことだと思います。

つまり、使っていい額は、どこにも表示されていません。表示されていないものを把握できないのは、能力の問題ではありません。

最初にやると効くのは、ひとつだけです

やることを増やす必要はありません。効くのは、たったひとつです。

次の給料日までに出ていくものを、日付順に書き出してください。 紙でもスマホのメモでも構いません。5分から10分の作業です。

たとえば、給料日が25日でこんな並びだったとします。

  • 27日 家賃 65,000円
  • 27日 カードA引き落とし 42,000円
  • 27日 スマホ 8,000円
  • 2日 サブスク3つ 2,400円
  • 10日 カードB引き落とし(分割2件を含む) 26,000円
  • 15日 奨学金 14,000円

合計は157,400円です。手取りが18万円なら、次の給料日までに自由に使えるのは22,600円ということになります。この数字が出た瞬間に、賭けが計算に変わります。

合計ではなく日付順に並べるのが肝心です。 この例では、給料日の2日後に115,000円が出ていきます。月の合計が足りていても、27日を越えた時点で残高はいちばん低くなる。どの日がいちばん薄いかは、日付順に並べないと見えません。会社の経理が資金繰り表を日付で作るのも、まったく同じ理由です。

この並べ方をもう少し詳しく知りたい方は、個人の資金繰り表の作り方にまとめています。

家計簿をつけ直す必要はありません

ここで大事なのは、今やったのは記録ではないということです。

家計簿は、過去に使ったお金を後から集計する作業です。レシートを溜め、分類に迷い、一日サボると気まずくなる。何度も挫折してきたのは、たぶん道具の作りのほうに理由があります。

いま書き出したのは、これから出ていくものです。過去を振り返る必要はありませんし、レシートも要りません。ほとんどの項目は毎月同じなので、一度書けば翌月は差分を直すだけです。毎日の記録が続かなかった人でも、月に一度の更新なら負担を変えられます。

紙で足りるなら紙で十分です。毎月の書き写しが面倒になってきたら、Signalarity では、この日付順の並びと分割払いの残り回数を同じ画面で確認できます。銀行連携は行わず、現在のログイン版は招待制で運用しています。

これで手元のお金が増えるわけではありません。増えるのは見通しだけです。それでも、月末にいくら残るか分かっているかどうかで、日々の落ち着き方はだいぶ変わります。

これまで管理できていなかったとしても、それは数字が見えていなかったというだけのことだと思います。次の給料日に、出ていくものを日付順に並べてみる。始めるとしたら、そこからで十分です。

ログイン版は、知人限定の招待制でテスト中です

資金繰り、資産・負債、未来設計、AIエージェントへの相談まで、基本機能は動作しています。現在は招待した方のみ利用でき、新規のアカウント作成は受け付けていません。

操作プレビューは、登録なし・保存なしで確認できます。