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キャッシュフロー

家計のキャッシュフロー表の作り方 — 月末にいくら残るかを、先に知る

「キャッシュフロー表 家計」で検索すると、たいてい出てくるのは数十年分のライフプラン表です。結婚、出産、住宅購入、子どもの進学、退職金。横軸に年齢が並び、45歳の欄に教育費が書いてある、あの表です。

この記事で扱うのは、それとは別の話です。 ここで作るのは、今月の給料日から次の給料日までに、手元のお金がどう動くかを日付順に並べた表です。30年後ではなく、23日後の残高を知るための表です。

月末にいくら残るかが読めなければ、貯蓄や積立、大きな支出の計画も立てられません。そこで、今月・来月の入出金を日付順に並べ、残高が足りるかを先に確かめます。

キャッシュフロー表とは「いつ・何が・いくら」を日付順に並べたもの

キャッシュフローは、直訳すれば「お金の流れ」です。家計のキャッシュフロー表は、その流れを日付順に並べた表のことです。

家計簿との違いは、向いている方向にあります。家計簿は「先月、何にいくら使ったか」を後から記録するものです。キャッシュフロー表は「今月これから、何がいくら出ていくか」を先に置くものです。カテゴリ別に集計しません。ただ日付順に並べて、残高を上から転がしていくだけです。

だから、家計簿が続かなかった人でも扱えることがあります。レシートを分類する作業が要らないからです。

お金の動きを3つに分ける — 収入・支出・資産移動

ここがこの表のいちばん大事なところです。お金の動きを、収入・支出・資産移動の3つに分けます。

  • 収入 — 給料、賞与、還付金など、外から入ってくるお金
  • 支出 — 家賃、食費、カードの支払いなど、出ていって戻らないお金
  • 資産移動 — つみたてNISAへの入金、貯蓄用口座への振替、証券口座への入金など、自分の別の場所へ移っただけのお金

つみたてに月2万円を入れたとき、生活口座からは2万円が減ります。でもそのお金は消えていません。投資信託というかたちに変わって、自分の資産として残っています。

3つ目を「支出」に混ぜてしまうと、おかしなことが起きます。月々の支出合計が2万円ぶん膨らみ、「今月も使いすぎた」という数字になるからです。積み立てを増やすほど、家計簿の上では下手になっていく。貯金するほど、家計が苦しく見える。 この歪みは、区分を分けるだけで消えます。

手元の現金は確かに減った。でも財産は減っていない。この2つを同時に見られるのが、区分を分ける理由です。

表を作る — 列は5つ、残高を上から転がす

列は「日付・内容・区分・金額・残高」の5つで足ります。手取り18.5万円、給料日25日の人の1か月を例にします。

日付内容区分金額残高
1日前月からの繰越92,000
4日携帯・通信支出6,80085,200
5日家賃支出62,00023,200
10日奨学金の返済支出14,4008,800
15日サブスク3件支出2,4006,400
25日給料(手取り)収入185,000191,400
25日つみたて口座へ入金資産移動20,000171,400
27日カード引き落とし(うち分割 12,000)支出63,000108,400
月内食費・日用品(見込み)支出45,00063,400

この表からは、2つのことが同時に読めます。ひとつは、月末の着地が63,400円だということ。もうひとつは、給料日前の15日時点で残高が6,400円まで細くなること。ここで急な出費が来ると苦しい、というのが、その日が来る前にわかります。

前月からの繰越で始めて、あとは日付順に足し引きしていくだけです。特別な計算はありません。

Excelでの作り方

スプレッドシートでも同じです。手順はこれだけです。

  1. A1から順に「日付・内容・区分・金額・残高」と見出しを入れる
  2. 2行目に前月の繰越を書く。E2に繰越額(例:92000)を直接入力する
  3. 3行目から、給料・家賃・カード・サブスク・積立を1行ずつ書き出す。金額はすべてプラスの数字で入れる(マイナス記号は使わない)
  4. C列の区分には「収入」「支出」「資産移動」のいずれかを入れる
  5. E3に次の式を入れて、下までコピーする
=E2+IF(C3="収入",D3,-D3)

収入ならプラス、支出と資産移動ならマイナス。この1本で残高が上から下へ転がります。E列の最後の数字が、その月の着地です。

区分ごとの合計を見たいときは、別のセルに次を置きます。

=SUMIF(C:C,"支出",D:D)
=SUMIF(C:C,"資産移動",D:D)

入力が済んだら、日付の列で並べ替えれば順番は整います。テンプレートを探す必要はありません。列が5つ、式が1本です。

Excelで作るのが手間なら、この考え方をそのまま形にしたツールの機能も確認できます。区分を選んで日付順に置いていくと、残高と月末の着地が自動で出ます。銀行口座とはつなぎません。

予測と実際のズレは、毎月少しずつ縮めればいい

最初に作った表は、たぶん当たりません。

カードの請求額は月によって変わります。食費も飲み会の回数で動きます。だから最初は「たぶんこのくらい」で置いてください。先月の請求額をそのまま入れるので十分です。

そして月が終わったら、予測と実際を見比べます。カードを5.5万と見ていたら6.3万だった。8,000円ずれた。では来月は6万で置いてみる。これを何回か繰り返すと、ズレは自然に小さくなっていきます。1年も続ける必要はなく、3か月ほどで「自分の平均値」の感覚がついてきます。

毎日つける必要はありません。 家賃も奨学金もサブスクも積立も、金額と日付が決まっています。決まっているものを一度書いておけば、あとは変動するものを給料日の前後やカード請求の確定時に確認できます。

家計簿が続かなかったのは、記録する量が多すぎたからかもしれません。この表は、記録ではなく予定です。予定は毎日書き直すものではありません。

まとめ — 読めるようになると、次の判断ができる

家計のキャッシュフロー表は、次の3つでできています。

  • 給料日から給料日までの動きを、日付順に並べる
  • 収入・支出・資産移動の3つに分ける
  • 残高を上から転がして、月末の着地を先に出す

月末にいくら残るかが読めるようになると、そこから先の判断ができます。積立をいくらにするか、繰り上げ返済に回せるか、この買い物は今月か来月か。どれも、着地の数字がないと決められないことでした。

投資も貯蓄も、その手前にこの表があります。まずは1か月分、5つの列で書いてみてください。

この考え方を、自分の数字で持つために

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